先日ご縁あって中学一年生の男の子の臨時レッスンをすることになりました。
目標としては吹奏楽の人気曲である「宝島」のソロを吹ける様になりたいとのこと!!
この「宝島」という曲はT-SQUARE の11枚目のアルバム『S・P・O・R・T・S』(1986年発売、当時の名義はTHE SQUARE)の収録曲です。ちなみに店長である私藤丸は当時高校一年生でこのアルバムを予約して発売当日に聞いていたという縁の深い曲でもあります。ピアノがシンセとは違う生々しい音で聞こえてきてドキドキしたことを覚えています。
この曲の人気に火がついたのはアニメ「響け!ユーフォニアム」の第2期第7話「えきびるコンサート」で演奏されたからなんだとか。放送が2016年らしいからもう10年近く吹奏楽の定番曲なんですね。
さてそんな「宝島」のソロ!!吹かなくてはいけないのは数ヶ月前にアルトサックスを始めたばかりの中学一年生男子!!かなりな難易度の曲ですから、やはり規定のレッスンの時間では吹ける様になりませんでした。
そんななかで!どうすればこの難解なソロを吹ける様になるのか??
今後悩まれるであろうたくさんのサックスパートの方々に向けて!!
吹ける様になる指南書を書こうと思いました!!そのために先日の中学一年生男子の様子を参考に色々書いてみたいと思います!!
というわけでその中学一年生男子はまずどういう状態であったか??そこから触れてみたいと思います。
6割程は譜面は読めている
確かに自主的に練習した形跡はありました!!頑張ったんだろうと褒めてはあげたかったです。しかし!!6割譜面を読めていてもビートに正しく乗った状態で吹けてはいない・・・。つまり全くできていないってことなんです。
休符の部分を正しい長さ休めない
ゆっくり練習しても休符の部分を正しく休めていない!!休符も音楽の一部なのに!!
8割くらいをざざっと適当に吹ければばいいと思っている
しかし8割を適当に吹けても・・・・・適当じゃ全くダメなんですよ。
じゃあどういう風に「宝島」のソロを練習すればいいのか??
基本的に!!「宝島」のソロの最小の音符の単位は16分音符です!!
ちょっとまって!!5連符とかいろいろありますよ!!そう言いたい方も多いでしょう。でも「装飾音符ってなに??「めちゃモ○サックス」を考える!!」でも書きましたが、装飾音符は装飾音符なのです。逆に細かく書くから余計むずかしく見えるんですよ!!ターンの記号で書けばもっと簡単に表せるのに!!
という訳で最小の音符の単位が16分音符で書いた譜面をどうぞ!!店長が書きました!!

さあそれでは!!tempo♩50くらいでメトロノームを鳴らしてみましょう。
その時同時に16分音符も鳴る様にセットしましょう!!言葉で言うと「キコココキコココキコココキコココ」って感じで鳴らしましょう。
それではこの状態でまずはビートに合う様にソロのフレーズを歌ってみましょう。細かい音程よりもビートにちゃんとノっていることが大切です。
上手く歌えましたか??ここで大体ハンパな人はこう言うのです!!
「ゆっくり過ぎて逆に難しい!!もっと早くなら簡単!!」
・・・・こう言う人はいつまで経ってもこのソロを吹ける様にはなりません!!16分音符単位でどこが休みでどこの音がどの16分音符に該当するか??それを掴むしか!!結局はこのソロを吹ける様になりません!!
まずはこのtempo♩50の「キコココキコココキコココキコココ」にあわせて!!このフレーズが歌える様になりましょう!!
結局は急がば回れ
それができる様になったら!!ようやく楽器をもってtempo♩50の「キコココキコココキコココキコココ」にあわせて吹いてみましょう!!思った以上に自分のリズム感がヘタレだってことに気がついちゃいませんか??
それはもう正直ショックでしょう!!でも・・・それにようやく気がついたからこそ!!適当に吹いてて出来てる風を装っていた自分とはサヨナラ!!
ようやくキチンと出来る!!までのスタートラインに立ったと言えるのです。
あとはもう簡単!!できたらメトロノームを一つ早くする!!これを繰り返していけば!!おのずとこの「宝島」のソロが!!しっかりと!!迷いなく!!
完全な自信をもって!!演奏できる様になるでしょう!!
他にも気をつけたいこと
以前に書いた「速いパッセージ!!一音一音吹き直してない??」でも述べていますが!!速いパッセージを吹きこなすには絶対に一定の息の圧力が必要不可欠です。いくら指が早く動こうとも!!一音一音吹きなおす様な断片的な息の使い方では、速いパッセージは音として前面に出てくることはありません!!
息使い!!大事ですよ!!
そして最後に絶望的なこと言います
言われた通りに頑張った!!その結果メトロノームでtempo♩110くらいで吹ける様になれば!!きっとDTMで作られた様なカラオケやプロのきちんとしたバンドなどとは!!一緒に演奏して気持ちよく吹ける様になっていると思います。よかったよかった!!・・・・・・とはいかないのです。
だって・・・・「宝島」のソロの伴奏をしてくれるのって・・・。
吹奏楽のバンドなのですよ!!しっかりしたビートなんて出てくる訳ないじゃないですか!!
実際のところ店長の藤丸も!!原曲バージョンや吹奏楽キーのソロをレコーディングしましたが・・・それはあくまで正しいビートのカラオケに載せたものなんです。正直「響け!ユーフォニアム」の「宝島」ソロシーンでも!!
一緒に吹くのはキツイです。いつも大事にしているノウハウからあまりにもかけ離れている演奏なので・・・。きちんと吹ける様になればなるほど!!
吹奏楽のバンドのビート感がきつく感じるかもしれません。
前に転んだビート感だったり・・・。きちんと隅々まで満たされたビートがあるとは思えないので・・・。
じゃあどうすればいいの?
結局じゃあどうすればいいの??って話なんですけどね。もうそれは!!
あまりよくないビート感の上でも!!ソロを吹きこなすほど余裕を持って演奏できるくらい吹けるようになるしかない!!そういうことなんです。
たとえば詰まったビートのバンドとか!!16分音符がキチンとと収まらない様なビートのバンドであっても!!そのバンドのビートの癖を読んで!!自分でビートを割りなおすことでフレーズの隅々まで伴奏にのせる!!そういうことも必要になってきます。めっちゃくちゃ疲れますけどね!!
まぁ余裕を持って吹けるくらいになって!!自分からビートをバンドに提示する!!そこまでいければたいしたもんです!!
・・・・・・吹奏楽のバンドにはそこまで要求できないですけどね!!
ポピュラーサックスを極めたいと思うなら!!今日の話はものすごく大事なんですよ。