グルーヴ感のあるサックスの表現
ポピュラー系サックスの表現としての歴史は「デヴィッド・サンボーン」以前と以降に大きく分かれると筆者は思っています。
登場した頃は(70年代)かなり邪道な表現者であった「デヴィッド・サンボーン」ですが、80〜90年代以降様々なプレイヤーが「デヴィッド・サンボーン」のフォロワーとなり、ポピュラー音楽の中でのサックスの存在感を示してきました。
日本においても90年代などは「J-WAVE」などFMを聴くとエフェクト多めなポピュラー系サックスの音が嫌というほど流れていたものです。もちろんそれは「デヴィッド・サンボーン」を色濃く感じさせるものでした。
そんな背景がなければポピュラーミュージック界では!!サックスはもっと廃れた楽器になっていたはずです。(実際ジャズでは花形のトランペットはあまりポピュラーソングにSoloでは使われませんね!)
余談ですがその頃は時を同じくして!!テナーサックス界では「ジョン・コルトレーン」の奏法を受け継ぎ正統に発展させた「マイケル・ブレッカー」が台頭してきた頃です。泣きのアルトサアックス、メカニカルなテナーサックスってイメージ!!
サックスを嗜んできた方々ならばそんなイメージはおぼろげながらにもあると思います。
「デヴィッド・サンボーン」の表現
あれから随分と時間は経ちました。サックス奏者用のカラオケ教本、例えば!!「めちゃモ◯サックス」などもかなり出回っていますが、その中の表現方法はいわゆる4ビートのジャズのそれとは異なり、ポピュラーソングを表現する方法に特化していますよね!!
巡り巡って、「デヴィッド・サンボーン」の影響がないとは絶対に言い切れない!!これはまぁ多くの方々が納得するところだと思います。
ここで「デヴィッド・サンボーン」の演奏をお聞きください!!
「デヴィッド・サンボーン」の「Chicago Song」という曲です。
テーマの冒頭「ラシドシ」という部分!!たったコレだけで痺れる程にカッコいい!!って思いませんか??
たったコレだけ!!「ラシドシ」って吹いてるだけなのになんだか痺れる!!なんていうか・・・・すごくグルーヴ感感じるというか!!奥行きがあるというか!!言葉で表現すると「ラぁシぃドぉシぃ」みたいに立体感があるというか!!
なんなんでしょうかこの正体!!
ドレミ楽譜出版社の「デヴィッド・サンボーン」を扱った教則本「アルトサックス/デヴィッドサンボーン名演集 」では!!このメロディを吹く時の発音を「タンナンラァーラン」って表現してました。実際には「ハーフタンギング」などこのメロディを吹くにあたっての特別なテクニックもいるのですが!!今回はグルーヴ感のあるメロディの吹き方に着目して!!この「ラシドシ」の吹き方を考えてみたいと思います。
次回!!グルーヴ感の正体!!解き明かします!!ヒントはリズムの感じ方とヴィヴラート!!