セルマー サックス機種による傾向
まず初めにご理解いただきたいことがあります。
よく色々なサイトに
- マークシックスは渋い音が・・・
- マークセブンは大音量に負けない・・
なんて書かれてあります。そういう記事を読んで
「あの楽器を買えばあんな音が出るんだ!」
なんて簡単には思わないで頂きたいんです。分類するとそういう傾向がある、ただそれだけなんです。
楽器には個体差があります。一概にこう!と言い切れるほど機種による差があるわけではありません。
憧れの機種を試奏した時に「あれ?こんなものか?」と感じた方も多いでしょう。
テナーサックスの吐息混じりのようなサブトーン。デビッドサンボーンの様なファズトーン。(ご冥福をお祈りします。)
色々なプレイヤーの憧れの音。それはほとんど全てそのプレーヤーの技術によって生み出されています。憧れの音を出すプレーヤーは!例え安価な楽器でもあの憧れの音を出すんです。
(本人には違う音なのかもしれませんが聴く側には微々たる差であり、音の良し悪しは本人の技術によるものが大部分を占めているのです。)
筆者が若い頃、著名なスタジオプレイヤー(娘さんも有名歌手)のレコーディングを拝見させていただいたことがあります。
その合間に見た光景・・・。
その方はメイヤーの5Mくらいの中庸なマウスピースで、クラシカルな音からメタル的ギンギンなサウンドまでいとも簡単に吹き分けて見せてくれたのです。目から鱗の瞬間。
もちろんその方はレコーディングで求められればその音の傾向にあったマウスピースにチェンジして吹いていました。
しかし!
どんなマウスピースでもどんな音も出せる!!この技術力に言葉も出ませんでした。
ラッカーの剥がれまくってよく吹き込まれたテナーのマークシックスは、確かに枯れた音を出すのに向いています。使い込まれたアルトのマークシックスはファズトーンがあたりやすい傾向にはあります。
しかしそれはプレイヤーの技術あってこそ。その技術が楽器の傾向とマッチしている。
ただそれだけなんです。楽器の音はあなたの力量の鏡であります。
言いにくいことを述べてしまいましたがこのことにご納得の上それぞれの機種による傾向をお読みください。