緊張って何??
もう10年くらい前の話になりますが、小さめのライブハウスでご一緒することが多い駆け出しの若手ドラマーがいました!!でもいつもすごく冷静だし、器用だし!!なによりもキチンとできる若手だな〜!!っていう認識のドラマーだったんですよ。若手とはいえスムーズにステージもこなすし!!なんなら信頼してるまである!!そう思える若手ドラマー!!
でも!!経験値って!!めちゃくちゃ大事だなって思えた事件が!!彼の身に起こってしまったんです!!
演歌歌手のバックバンド
小さなライブハウスでご一緒しているメンバーたちに!!ある時とある演歌歌手(ポップスも歌う)のバックバンドの依頼があったのです。ホテルのディナーショーとかコンサートホール(普通サイズ2000人規模)などの演奏をいくつかすることになりました。
今思えばあの若手ドラマーにとってはあまり経験のなかった大きなステージだったのかもしれません。でも信頼してるドラマーであったため!!まさかそんなことになるなんて思いもよりませんでした。
その事件は!!ホテルのディナーショー本番前におこりました。リハーサルを進行している時です!!曲のエンディングのリタルダンドを作る私店長の指揮を無視して!!ドラマーが勝手にテンポを誘導し終わってしまうのです。ポピュラーソングならまだしも!!演歌などのエンディングはリードをとっている楽器もしくはコンダクターの出すテンポに合わせて終わらなくてはいけません!!
「あれ?どうして先走っちゃうの?もう一回やってみましょう!!」
なんて私店長も悠長に言っていたのですが、なんどやっても勝手に終わってしまう!!あれ??どうした??なにやってる??「おいおいしっかりして!!」そういいながら若手ドラマーの方を見ると!!
なんだか顔が耳まで真っ赤になり!!息遣いも荒いのです!!
そこでようやく気がついたのですが!!なんと若手ドラマーは!!緊張のあまり我を忘れて自分でも自分がコントロールできなくなっていたのです!!
経験豊かな先輩方とは違った!!
信頼する若手ドラマー!!しかし!!思えば小さなライブハウスでしか共演したことがなかったことを!!その時点で思い出しました!!そうか!!彼にはそこまでの経験がまだなかったのか!!後にあの若手ドラマーに聞いたところ!!規模に圧倒されて自分を見失ってしまった!!とのことでした!!
他の同僚や先輩方は!!たとえ小さなライブハウスでしか会わないとしても!!大きな舞台経験がめちゃくちゃ豊富にある!!大勢の前で演奏もしてきたし!!例えば撮り直しのできないテレビカメラの前でも幾度となく演奏し!!そういう演奏が全国に放送される!!大ホールの観客の前で欠伸を我慢してる位リラックスしている!!そういう人たちばかり!!
私店長はそういう人たちのことを「緊張感のバルブの壊れた人たち」と呼んでいたのですが!!これがプロミュージシャンの経験値なのだと!!改めて思わされる出来事でした。
規模なんて関係ない!!
しかし逆にいうと!!「緊張感のバルブの壊れた人たち」は!!小さな規模で演奏している時も!!決して手を抜いていないのです!!お客さんが2人だろうと5千人だろうと!!同じように演奏をする!!向き合っているのは自分自身とバンドの音だけ!!自分のプレイ内容に緊張していることはあっても!!決してお客さんの数や規模に対して緊張することなどないのです。
あれから10年は経ちます。今もご一緒する機会が続いているあの若手ドラマー!!今ではすっかり!!「緊張感のバルブの壊れた人たち」の仲間入りです。ちなみに彼は!!自身で加入しているバンドもメジャーデビューしているんですよ!!
緊張感の正体は??
私店長が駆け出しの頃!!「同業のパートの方が見てると緊張しちゃう!!」なんて言ってる人をよく見ました。「大勢のお客さんだと緊張する!!」そういう人も!!
でもそれってどういうことでしょうか??本来の自分の実力以上に!!「他人様に上手いって思われたい!!」そういう心理が働いていたんじゃないでしょうか??
・・・ここで質問!!プロのミュージシャンとアマチュアの違いはなんでしょうか??
はっきり言いますと!!プロミュージシャンは自分の実力をハッキリと認識している!!それに尽きると思います。ハッキリと認識しているからこそ!!どこで誰が見ていても聞いていても!!それ以上でもそれ以下でもない自分を!!大きく見せようなんて思えないのです!!
その域に達するまでには!!人に見せられないような努力!!そして幾度となく傷つき!!失敗して傷つき倒して!!辞めてしまいたいほどの恥をかきながら!!それでも楽器に向き合ってきた経験があるのです。この経験値こそ!!緊張してる場合じゃない!!っていう開き直りと!!意志の強さに繋がってると思います。
緊張感総括!!
「緊張しちゃう!!」そういう人は!!まだまだ自分を大きく見せたいという煩悩から抜け出せていません。真実としては!!自分はそれ以上でもそれ以下でもないのです。だったら!!本当の実力を!!身につけていくしかありませんね!!
そのためには!!楽器と向き合い!!たくさん恥をかいて!!自分の大きさをシッカリと把握していく!!もうそれしかないんですよ!!煩悩などに!!構ってる暇はないのですよ!!